はじまりのとき
先日の定休日はAOSHIMAHAMMOCKのオーナーかおりさんを
急遽連れ出して日之影町の丹助岳へ。
山なんて興味ないよ!と言っていた彼女をなぜあの時誘ったのか
誘ってみようと思ったのかは単純な動機
感受性豊かで理知的な彼女があの世界を見たら
どんな風にその瞳に映るのか、何を感じ取るのか
見てみたいなという単なる好奇心
そして大好きな人には山を見せてあげたいという勝手な
おせっかい心から。
はじめての山に行ったのは2年前の祖母山
寒い日で氷の壁から足を滑らせたり
氷柱に感動したのを昨日のことのように覚えています。
”はじめて”
これは何にしてもとても大切な瞬間
楽しい!何だこれ!という感動を覚えて帰ってほしい
安心安全を担保しながら。
今回は色々シュミレーションした結果きつくなく
ハイキング的に森を歩き、絶景をみれる山を選定
西に行くか、北に行くか
結局いつも人気のないのんびりした県北が好きで足がむいてしまう最近です。
当日は雲ひとつない青空と暖かな気候
晴れ、小雨、霧、どんな山にも結局ものがたりがあって
どの景色も好きです。
最初の山はできれば晴天であって欲しいと思っていたので
最高の初めまして日和
風も無風で天狗岳ものんびりと寝っ転がったりバーナーで
コポコポと珈琲を淹れてまったりしたりしました。
森を歩く時
空を見上げる時
岩肌の上から集落を見下ろす瞬間
彼女は瑞々しい表情でじっとそれらを眺めながら
かみしめるように味わって山と対話しているようでした。
普段は多忙の極みで沢山のお客様に囲まれ、
スタッフと店を切り盛りする彼女が
日常から離れて
ただ一人の自分に戻って向き合える時間
道中いろんなことを語り合いながら
話しているうちに考えがストンと腑に落ちたり
シンプルに思考が整理できていく不思議な時間
彼女の中でもいろんな閃きや風が抜けていったようで
山にいる間も帰る道すがらも
晴れやかで付き物が落ちたかのように
すっきりした健やかな笑顔で終始笑い合っていました。
順風満帆に見える人
何でも器用に自分の力にしてしまえるような素敵な人でも
人には見せない部分で必ず抱えているものがあります。
それは不器用な私でも同じことで
皆努力して至らない自分を鼓舞しながら
前へと進みたいともがくのだと思います。
何かをはじめようと思うとき
そのきっかけは色々で
タイミングや人だったり
ふいに流れてきたものを自身のアンテナがキャッチできるか否か
そして飛び込んでみようという気持ち一つで
世界は変わると思うのです。
私が山に行くようになって
シンプルな自分を好きになる、受け入れて向き合っていく覚悟ができたように
まだまだ山仲間を増やしたくて
とにかく好きな人には山行こうよ!と誘っています。
けれど何回も誘うことは基本なくて
おんぶに抱っこは苦手です。
楽しんでやろう!
みたことない世界見てみたい!
そんな楽しむ気持ちは何事にも最優先に必要なこと
その上で私にできる段取りや準備は率先してやりますし、
最大限楽しむ姿勢を応援できるタフさを携えられる人間でありたいと
そう考えています。
PORTALのオーナーに沢山の世界を見せてもらいながら
私もガイドになりたい!と言ったことがありました。
何でそう思ったのか・・・
私自身がオープンから走り抜けすぎて体調壊して疲れ切った自営業一年生の頃に
「なら山行こうよ!」と勧められて仲間と始めた山遊び
そこでもともと自然や植物が大好きな野生の血が騒ぎ
心から楽しい、まだみたい世界が沢山ある!と知れたこと
何にも話さなくても
気持ちが穏やかにシンプルに整理されていくことを
身を以て知ったからかもしれません。
もちろん安全面の知識も乏しいし
山は危険と隣り合わせですから
簡単にガイドしたいなんておこがましくて今となっては
軽口叩いたなと反省したりします。
人を連れていくということは
その人の体力レベルはどうか?
往復の歩行時間
天候、装備など
何かあった時の危険回避の措置や対処
どれだけ考えて連れ出してくれたのだろうと頭がひたすらに
下がるのです。
私はまだまだ山は初心者のひよっこですが
森ごとの植生や花、鳥なども
あんな風に説明しながら歩けたら
みんなどんなに楽しんでくれるだろうとか
考えて楽しくなります。
はじめての山をとびきり楽しんでくれたかおりさん
また山に行きたい!といい、帰り道もいろんな自分と対話できたようで
満足気な様子でとても嬉しかったです。
森の案内人はまた来週!!
さて今日も本業をまずは頑張ろう!
みなさまも心豊かな金曜日をお過ごしください。
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