研ぎ澄ます
ひょんなきっかけから出会った山で過ごす時間
まだ2年足らずですがこれが妙に肌にあう
いつもアテンドをお願いしているのは
PORTALさん
しばらく行ってないと顕著に身体に出るしんどさ
急登続きだと呼吸も苦しくなるし
汗も普段からはあり得ないくらい滴り落ちる
歩き始めて30分位は心底きつくて
なんで来ちゃったんだ?と疑問に思う日もある
けれど身体があったまって呼吸も馴染んでくると
たちまち私の細胞は元気にはしゃぎ出す
目に入るもの全てが眩しい
落ち葉を含んだふかふかの土
雨水を多く溜め込んだ沢
ウグイスの掛け合い
みんな声が違うし歌い方も違う
ガマガエルの様に鳴く鳥もいる
木には夏色の深緑の葉っぱや
木々に花開いた花たちが
太陽に向けて整列して背伸びしている
足元にも不思議な植物たち
腐生植物のギンリュウソウなんて
ムーミン谷のニョロニョロ実写版みたいだし
水たまりに雨が降ったかと思えば
あめんぼが泳いで波紋を作っていたり
山頂に行くまでの道のり
そこからの帰り道
全然違う表情で私をひたすら楽しく
もてなしてくれる
身体や細胞、感覚が喜んでいるのを感じる
私はとにかく植物とか自然が好きだ
帰ってきた感覚に陥るというか
呼吸が楽にできる
なんのしがらみも
仕事の悩みも関係なく、
フラットな私に還らせてくれる
きっと前世で森にいたんだろう
植物なのか土なのかはわからないけれど
人間はきっと皆もともとは森から生まれたはず
そんなことを考えていた
山に行った後私は睡眠薬を飲んだ様に
すぐに眠くなる
降り始めると同時にすごく眠い
リラックスしすぎて
Α波が出るからなのか
心地よくて
ふわふわと浮遊する感覚
歩きながらウトウトすることもある
それからぼやけていた思考の輪郭が
くっきりと明確になり始める
一旦無になるということは
脳みそのリカバリーに効果的なんだろう
動き出したらとても小気味好く
仕事も進み出す
山を歩く道中
仲間たちとの他愛ない会話や
仕事の話
これからの展望、地域のこと
遊びの話などをする
自分がどこの誰かも関係なく
普段抱えた責任も少し置いてきて
ただの私で五感をフル活動できる時間
無邪気でいられること
それはとても尊い
感覚を研ぎ澄ますって
こういう時間のことを言うんだと
最近知った
1人で行く山も味わい深い
けれど普段から仕事も
1人製作することの多い私の場合
仲間と行く山はひたすらワクワクする
人は人と時間を共有したり
価値観を分かち合うことで
自分だけでは拓けなかった世界のドアや
可能性を導き出せるんじゃないかと思う
こんな雄大な世界の中で。
もっと沢山の人に
この感覚を体感してもらえたらなと思う
もちろん誰にでも合うかはわからないけど
体験してみる価値は十分にある
それを知れたこと
とてもありがたいことで
いつも感謝している
いつもありがとう
これからも沢山の場所の四季を
生き物の営みを
見せて欲しいなと願いつつ
そんな場所を微力でも
守れたらなと思う
この記事へのコメントはありません。