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私の仕事は植物屋であり、花屋であり、空間デザインだったり
何でも屋的に色々させていただきます。

週の半分以上は仕入れに走りまわります。
それは足で稼ぐもの
商社に欲しい植物を提案して探してもらうもの
生産者さんに直談判で生産してもらうもの
関東、関西の市場からwebの市場にて発注するもの

様々な方法があります。

私は花屋でも園芸屋さんでも働いたことがないため
業界のセオリーもわからなければ
仕入れだってルートはゼロ・・・
手探りでゼロから開拓して行きました。

持ち前のバイタリティと図々しさ
コミュニケーションはこれまでの職務での経験上
交渉しながらとることは苦手ではないこと
あとは自分が使ってみて気に入ったり使いやすいプランターのデザイナーに交渉して
拘ったものしか一切取り扱わないということで進めてきました。

人気があるからとか、定番だからとか
流行りのデザインなどは一切興味なし

あくまでも自身の感じた感覚と使用しての信頼性を信じて
商品構成を進めてきました。

結果オープン当初から使うメーカーもデザイナーも
いまだにお付き合いさせていただきリピーターも増え
皆さんにそれぞれ喜んでいただいております。

花の仕入れは博打と言えます。
等級や生産者さんの名前で発注しても実際にこの目で見るまでは
どんな状態の花が届くか未知数です。

ガッカリや悪意しか感じない花、梱包も少なくありません。
これみてよく出荷できたな・・というものもありますが
受け取った以上引き取らざる得ないことも多々あり
商品としては店頭に出せないためロスとなります。

いつも最高な状態をそのままお客様にみていただけたら
最高にHappyなんですが
刺身と同じ、ナマ物故に思うようにいかないことも沢山です。

それでも待っているお客様がいてくださり、
言い訳を並べるわけにはいきません。

予定以上の沢山の量、種類の花で万が一のリスクを減らします。
儲かる商売かと問われれば本気で苦笑いしか出ませんが
じゃなぜ懲りずに博打を打ち続けるのかと言えば
それはただ

『好きだから』
『沢山の方に世界中の不思議な世界を見て欲しいから』

そのことに尽きます。

花がもたらすパワーや優しさ、柔らかな癒しは
他に比べるものがないと思うほどに凄まじく深く
沁み込んできます。

その花を見せたい存在がいて
その花を見せて花が開くように
ぱああああああっと明るく表情が綻ぶ瞬間に
涙が出るほど嬉しく感動します。
花がもたらすドラマは想像を超えていきます。

花ってすごい

どんな状況でも最後まで凛と咲き誇ろうとする

例え誰かが毎日見ていようとなかろうと
関係ない

健気に背筋を伸ばし
太陽の光が射す方向を見つけ出して蕾を膨らませる

その様はいつも私の心を優しくひたひたに満たしてくれます。

結局店にいていつも花や植物たちと戯れる私は
1番幸せなんだなと日々感じるのです。

今日は大好きな芍薬レッドチャームが大量に長野から入荷しました。
その他にもへんてこりんな子たちが沢山
所狭しと店にこんにちはーーー!と仲間入りしてきました。

そのエネルギーのすごいこと

やってきた友人にレッドチャームの花束を持たせたら
すごいすごいパワー!!とびっくりしていました。

すごいんです。

花たちがくれる波動なのか生命力なのか
魂の塊みたいな得体の知れないもの

うまく説明できないけれど、確かにそこに存在するもの

店の中全体にそれが充填して
私は窒息しそうなほどそれを身体中に浴びています。

「贅沢な仕事してるね私たち」

助産婦として第一線で活躍する彼女は生まれたての赤ちゃんを抱き上げたときの
生命力に似ていると言いました。
花も赤ちゃんも一緒だねと

私がどんな時も守られているかのように
顔を空に向けてあげていられるのは
紛れもなく花たちのおかげです。

どんな時もそれは変わりなくて
寄り添い背中を押してくれる存在なのです。

私は好きなだけでこの店をやっています。
不意にそんな理由で子供みたいにやっていていいのだろうかと
罪悪感に駆られるほどに。

同じように拠り所のように
いつも通ってくださる優しく大きな方々に
この場をシェアできたなら最高だなと思って奮闘しています。

花が大好きです。

誰かのいろんな瞬間に言葉でなく
五感で寄り添い力を与えるものたちを
私なりの方法でもっと広げて空高く飛ばしてあげたいなと思うのです。

今日も店に立てて幸せでした。
毎日修学旅行のようにワクワクするのです。

それはきっと奇跡のように儚くて
いつか形を変えてしまうのかも知れないけれど
今日ここで出会えた人、沢山の出来事がこの心にあれば
どこにいても同じようなことを
やっていけるんだろうとそう自負しています。

好きなものを見つけたことはゴールではなく
本当のスタートラインだと思います。

ここからどこへ向かうのか
自分にできうること、使命を胸に問いながら
明日も綺麗な水をみんなに飲ませてあげて
葉っぱの調子をチェックして
目一杯可愛がってあげよう
お迎えがきてまた目一杯可愛がってもらえるように
大切に守るからね。

私の毎日はそんな風に過ぎていきます。
いつも走り回って転んでいますが
日々とてもしあわせ

足りないピースを数えるより
いまこの掌にある宝物を
できうる限り大切に楽しみながら。

沢山の方にレッドチャームみていただきたいな

そんなことばかりで頭がいっぱいな土曜の夜です。
そんな呑気な花屋です。

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