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私は対外的には大雑把に植物屋兼花屋という看板の元店を営んでいます。

店を自分でやってみるまで「店」とは”あるもの”について専門的に
販売をする場所だと思っていました。

もちろん居心地いい場所、なんだか会いたくなる人
信頼できるその人が勧めるものを購入したい
店を選ぶ選択肢はそれぞれにありました。

実際にたった3年過ぎて見て
それは厳密には間違いだったことに気づきました。

この場所にくるお客様だけで考えても
それぞれに様々な想いを抱いてやってくる

家族のこと、様々な事情があってなかなか行くことが叶わなくなった人
だからいつも文章を見ながら元気をもらうのだという

いつも来てくださる方も多忙な日常の中、
時間のやりくりしながら少しだけ自分に戻るための時間として
花を数輪選びにやってきたり。

私にもそんな心の中の一輪の花みたいなお店はいくつかあります。

大抵好きな店の方の書く文章が好きで
なんだか日々それらの文章と語り合っている感覚

文章って怖いくらいに人柄や思考があらわになるもの
それをずっと続けている方なら尚のことそれは
嘘もつけなければ良くも悪くもその時の状態が透けて見える

言葉って表情のように見て感じとれてしまうものです。
だから私も下手なりに毎日綴るのかもしれません。

たまにだけとびきり粋な文書を書くことも素敵かもしれませんが
私は人間味のある心のブレや襞みたいなものをその人から感じることで
自分の調整を感じたり問いかけしたりできるのです。

もしかしたらこの稚拙な日記程度の文章も誰かのそんな日常の問いかけの
一片を担うのなら嬉しいなと感じます。

いろんなお客様と話す中で気づく店の存在意義

そこに私の中身がしっかり伴うか否かはもはや問題ではなく
その方にとってゆるめる拠り所だったり
また日常を頑張るたの助走板になるなら
それぞれに好きなように利用してもらえたらいいのかなと
最近はそう感じています。

頼りにされてるならしっかりしなきゃとか
もっと立派なことを地域のためにしたいとか
それは長期スパンの目標として持ったまま
今の等身大の店で必要としてくださる方のために
最善を尽くしてここに立っていたいとそう思います。

先日もお世話になっているパン屋さんの奥様からお電話があり、
「今から行っていいですか?」と来店のご予約。
配達があり店を少し早めに閉める時間が迫っていましたが
その時間ならまだ大丈夫です!と電話を切りました。

しばらくしてまたお電話があり
娘さんがプリンセスのドレスに着替えてからお花屋さんに行きたいと
訴えてくると。
でも配達の約束の時間もあり、申し訳ありません・・・とお話しすると
快く「じゃ予定通りで行きますね!」と。

心配は的中・・・大号泣しながらママに抱えられて入ってきたありさちゃん
ママが気に入って通ってくれている花屋に初めて連れてきてもらえる
きっと最大限のおめかしをして来たかったんだろうな・・と感じて

「わかるよーその気持ち」とありさちゃんとゆっくり話をしたら
たちまち笑顔になり、お花を選びたいとママの胸を離れ
花を沢山選んでくれました。

小さな弟にいつもママはかかりきりになりがちなため
小さなお姉ちゃんはいつもグッと我慢していて、
今日はあえて少しでも2人の時間をと優しいママの計らいで2人時間
花を買って、プリンセスのシールを買ってもらうスペシャルコース

自営業で仕事しつつ、子育てに家事にと何役もこなす頑張り屋さんな彼女
いつもびっくりするほど丁寧で穏やかで柔らかな人
娘さんにしっかりと向き合って寂しさや振り向いて欲しい気持ちを敏感に感じてあげる
なかなかできないことだなあと頭がひたすら下がりました。

帰りに黄色い花と店のシールを渡して
「これはプリンセスのスティッキと、花屋さんに変身できるシールだよ」
と言うとなんとも嬉しそうに黄色い花をくるくるかざしながら帰っていきました。

その後頂いたメッセージと写真
泣きはらした顔から満面の笑顔まで。

優しい愛に溢れた文章に胸が熱くなりました。

お母さんと小さな女の子の楽しい1日の思い出の停車場になれたみたいで
色々と感じさせられた日

私が頼りなくとも、そこを頼りにしてくださる方はいるわけで
店はやはり生き物として一つの人格を持って成長していくのだと
そう思いました。

周りの自営業の友人の店を見ても感じますが
店とはただサービスを提供するだけではなく
その先の何かをそれぞれの方が必要な形で
受け取る存在なんだと言うこと。

そう考えると色々な大好きな店にも存在してくれることに感謝であり
そこを愛して守ってくださるお客様にもひたすらに感謝なのです。

次回はありさちゃんがとっておきのプリンセスのドレスで
また満面の笑顔で来てくれることを願いながら。

さて今日も頑張りますか!

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