祈り
ある日の土曜日
2年ぶりくらいのお客様が来店されました。
職場の同僚の方が超早産を数日前にされたそうです。
先日戌の日の腹帯をもらったばかりの初産のお母さん
赤ちゃんは500グラム程度しかなかったらしく現在も
病院で赤ちゃんは懸命に頑張っている。
そんなお母さんと赤ちゃんにエールの花を何か贈りたい
そんなオーダーでした。
今は医学も進化していますし、私の友人も660グラムの早産で出産し
今では小学生の元気な女の子に成長しています。
けれどお医者さんは最悪も想定して説明されるそうで
この3日が山だろうと言われているそうです。
正直土曜日はオーダーでてんてこまいで早朝から制作にあたっていても
もたもたしていれば全く間に合いそうもない。。。
急なオーダーを入れ込む隙が全くありませんでした。
お客様もそれは察してくださっていて
来週で、できるものでいいから・・と。
話を聞いていくうちに、あまりにもその同僚の方を想う
真っ直ぐな真剣な眼差しに
言葉が出なくなり、追いかけて今日中になんとかします
届けてあげてください!と伝えていました。
まん丸で淡いピンクを散りばめたリース
小さな女の子がどうか命を繋いで
会える日を待ちわびたお母さんとお父さんのもとですくすくと成長できます様に
そんなことを願いながら。
思えば人それぞれに抱えたものがあり
それを花に託して贈りあう
時に誰か大切な人に
時に自分自身にエールを込めて
今日もキングプロテアに数年憧れていたという常連さんが
巡り会った!とカウンターに行けてあるプロテアを眺めて
頑張ったからご褒美ですね!と。
究極、花はなくても生きていけます。
けれど無駄ではなくて、なくても困らないものにこそ
生きるスパイスというかエッセンスが詰まっている
それがないとなんとも味気ない
ただそこに居てくれる誰かの想い
花の力強さと儚さ故の美しさ
贈り物にはその物自体にというより
その思い、行為自体にとてつもないエネルギーが込められている
自分を思って胸を痛めてくれたり
一緒に寄り添ってくれた優しさ
がむしゃらにやっている日々、要領の悪い私は
店にやってくる方全てに満足のいく寄り添いはできなくて
いつも悶々とジレンマに襲われています。
もっともっと・・・と願えど
何かを手放さなければ何かを得ることはできない様に
本当はもっとちゃんと寄り添いたいのに
できることに限りもある
なんとかできるところまでフルスロットルで駆け抜けますが
今度は体調が言うことを聞かなくなる
無理した分身体は歪みを抱え
あちこちに不調を訴えてきます。
誰かの祈りにも似た想いに
もっと応えられる方法ってなんなんだろう
日々自問自答して
情けない自分に舌打ちしたい気分でいます。
とにかく今日も明日も必死にやるのみ
誰かの大切な想いをきちんと
昇華できます様に
精進していきます。
まずは自分の心身も向き合ってあげなければと
メンテナンスに駆け回る日々
心身健康に頑張ります。
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