力を抜く
私は何かと力が入ってしまうタイプの人間で
対して能力も秀でたものもないくせに
大きく強く見せたくて背伸びばかりしていました。
店を始めた当初はこうなりたい、こうありたいの塊
本質を捉えきれずに空虚な理想ばかり追いかけては
思うように進まない日々に反省と憤りの連続
息は苦しいし
理想ってなんだろう
私が店をすることで本当に提供したいものって何?
どうすれば誰かの心を柔らかく緩めることがこの場で
できるんだろう?と空回りの連続でした。
いろんな人に認められたかったし
沢山の人に好きになって欲しかった
それが段々と違う気がするなと気づき始めて
軌道修正を続けている途中でもあります。
ぶっちゃけてしまえば
もうみんなに好きになってもらえるなんて不可能だと気づいたし
そんな無駄なことも不毛なことも望まなくなりました。
本当に必要な方に対して
僅かな数でもいいから精一杯の思いを花に乗せて届けたい
1人で店を切り盛りする私には仕入れからオーダー製作、
事務処理、打ち合わせ、 外仕事など目には見えない地味ながら
1番大切で日々怠ることのできないルーティンが山のようにあります。
最初は早起きして深夜まで必死にその全てもご来店の方全てへの対 応も
即座にその場でやっていました。
そして定期的に身体を壊すの繰り返し
歪みは気づかないフリして気力でやり過ごすことも多少は可能です 。
きっとパフォーマンスも心の潤いもカサついていってしまいます。
心身が健やかでない中では健やかな花はデザインできないと思うの です。
予約制にして平日に気軽に来れなくなったと残念がる声も
お叱りにも似たご意見も沢山いただきました。
それでも一本のメール、 電話の手間を惜しまずに通ってくださる方がいた
手が抜けない、要領も良くない私の性質を理解してお店改革に
賛同してくださる馴染みの方々がそっと応援してくれていました。
イレギュラーな営業に対して不安がないわけはありませんでしたが
手探りながらも真剣に向き合っていれば
道は少しずつでも切り拓いていけるのだと改めて知りました。
4年目の今
当初からすると少しだけ肩の力も
全身の力も程よく抜けてきたように感じます。
こうでなければ!とか
こうあるべき!の鎧が脱げて
とにかく1日1日を精一杯、
心を込めて尽くす
花にも植物にもお客様にも周りの方々にも
よく大切な人のことを考えて
その人が立ち止まっている時
困難に立ち向かっている時
何かしてあげられないものか
力になれないだろうか?
そんな答えの出ない問答を繰り返します。
きっと物理的にそんな方法はなくて
せめて私がここからエールを送り続け
健やかにいつでも同じ姿勢でいることが
誰かの何かしらの安心につながるのではないかと
そう勝手に願いながら
今日も心穏やかに1日を受け入れたり
受け流したりしながら
過ごすのです。
目に見えた大きなことはきっとできない人が大半でも
誰かにとってはとても大きな存在であったりする
そんな人が1人でもいれば
人生はめっけもんだと思いませんか?
私はそんな風に思える存在や
思ってもらえる存在もいるんだと信じています。
吹けば飛ぶような小さな小さな植物屋
それでもここがあってよかったと拠り所にしてくださる方々のため にも
元気いっぱい大切に日々を駆け抜けたいと思います。
人生はいろんなことが巻き起こります。
いいことばかりでもなければ
不可抗力の困難も沢山ある
そんな中でも身体は動くし頭も動く
立ち止まることがあれど、また歩き出す気力もある
表面上のいい悪いは判断の基準になり得ない
結果あれがあってよかった
そう言えるように直向きに生きていれば
きっと大丈夫
そういつも感じて乗り越えていけそうな気がします。
さて今日はそろそろ帰ろうかな。
本日もいい日でした。
あの人もいい日だったならいいな。
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