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2017.09.18
花屋の経験もゼロ
開店の数ヶ月前まで
自営業する気なんかも全くなく
生涯なんとか会社員で生きていこうと決めていた私は
青天の霹靂か色んなご縁やタイミングが重なって
店をやることになったのでした。
趣味で極めたいと楽しんでいただけの
花や植物と生きていくこと
無謀な挑戦だと本人は腰が引けつつ
チャンスが来たのならやるしかないし
周りの尊敬する人たちの
何故だか「やってみろ!大丈夫」と
根拠なき自信に半ばマインドコントロールされて
単純な私は
「手探りでもやってみたい」
そう感じたのでした。
お世話になっている建築家に
「3年食べれなくてもブレずに媚びるな」
そう言われました。
3年・・・
あっという間のようで
本当に様々な出会いや事象があって
すごく濃密な時間たち
出会いの数はものすごく増えて
それと同じだけの別れもありましたし
いいこともそうでないことも
生身で受け止めるということは
こんなにも生きている感覚や
学びを与えてくれるのだと知りました。
そして自分自身がいかに関わってくださる方に
生かされているかということ。
自分だけで成し得ることなんてほとんどなくて
応援してくれる方々、
受け入れてくださる方々あって
ここに立てているという現実
日々は当たり前なんて微塵もなくて
奇跡と想いの積み重ねなんだということ
気づきが増えたように思います。
私は随分偏った人間です。
順風満帆な道も歩けていないし
一人前にも未だなれない
転けて、つまづいて
自分を嫌いになって卑下して
自分をダメな奴だと責めることで
自分を支えてきた感もありました。
やってもやっても自信が持てない
それでもそんな自分を変えたくて
変わりたくて
どこにいてもいつも気持ちだけは一生懸命でした。
そんな人生の出会いの中
出会った沢山の人が
ずっと信じてくれました
背中を押し続けてくれました
街角でショーウインドウに映り込む自分を
見るのも苦手だったある意味自意識過剰に
ネガティブだった1人の人間は
通ってきたすべての道の曲がり角で蓄積できたものだけを
携えて店を開くことになり、
こだわりといえば聞こえはいいけれど
実のところは単に自己中でわがままで直感のみ頼り
そんな偏った店のはじまりでした。
人様の気持ちを預かって花を象るということ
それは経験がない
自信がない
そんな馬鹿な言い訳は捨てるべき
肯定も否定も覚悟を持って
挑むことが店という間口を開く以上は
最低限必要だと思います。
今も作ったものの自信だけは
絶対的にあります。
ただそれがその方にフィットするかは
また別の問題ですので
いろんな感情やイメージを汲み取る
訓練はまだまだ試行錯誤を続けていくのです。
働くということが
本来好きです。
会社員でも今の立場でも同じ
そこにいる誰かと目標向かって歩くことも
成果を目指して試行錯誤することも
仕事というものは
とても奥が深い
単に生きるため、暮らしを豊かにするためだけなら
個人的には頑張れないと思います。
その向こうにある誰かの満足だったり
幸せのお手伝い
いろんな場面で気持ちにそっと寄り添う
その一端が担えたらなんて素敵だろうと
そう思います。
店はいろんな方が来られます。
喜怒哀楽
それに直に向き合う業種なんじゃないだろうかと
3年経ってつくづく実感しています。
相手も全力で向かってくるから
こちらも全力で返さないと足りなくなる
それを来店する方全てにくまなくすることは
難しいこともやりながら知りました。
要領も悪い私みたいなやり方は
人数を制限するしかないことも最近気づいたことです。
周りができるからと無理に背伸びすることも
違うんだなと覚悟してからは自分のペースで
できる方法を模索しています。
今は店もアポイント制で運営していますが
心身健全におひとりおひとりに向き合えるので
私には向いているようです。
沢山の方に気軽に裾野を広げたいと始めた植物屋ではありますが
軌道修正しながらベストな形を都度見出して行きたいです。
こんな足りない思考レベルと
頼りなさの店主で
よく3年店もったな・・・というのが率直な感想です。
これからも植物や花が傍にあることで
叶う穏やかで豊かな暮らしを
そっと小さな小屋から提案していければなと
そう願います。
店という形にこだわりは特にないため
これからも臨機応変に変化しながら
アメーバのように変異しつつ
暮らしを面白おかしくするお手伝い
考えていけたらいいなと思っております。
通って応援してくださる方は
ほとんどがもともと花に馴染みのない方が多く
入り口は様々でした。
自由にそれらを楽しんでくださる方が多いのも
この店の特徴かなと嬉しく思います。
4年目も寄り道も沢山
全力で走り抜けます。
引き続きこんな店主ですが
お付き合いいただけましたら幸いです。
いつも応援心よりありがとうございます。
ここに居させてくれて感謝しております。
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